ベルサイユのばら

集英社漫画文庫 全5巻

作者:池田理代子
出版社:集英社
初出時期:1972年(週刊マーガレット)
分野:少女マンガ
ジャンル:歴史
内容:フランス革命を舞台に描かれた、今や宝塚の代表的な演目にもなっている不滅の名作。


「ベルばら」の略称で呼ばれる少女マンガを代表する超有名な作品です。
読んだことは無くても、ほとんどの人がその知っている作品ではないでしょうか。
歴史の教科書にも出てくるフランス革命を舞台に、壮大なドラマに仕上がっています。
主人公はこれも一度は聞いたことがあるはずの近衛兵である男装の麗人オスカルこと、オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェです。
このオスカルとフランス王妃マリー・アントワネットらが激動のフランスで運命の道を歩んでいきます。
世界史という教科は、なかなかとっつきにくく、苦手な人も多かったのではないかとおもいます。
この作品を読めばフランス革命の部分だけは、しっかりと頭に入ってくると思います。
ご参考までに末尾にこの時代の年表を付けてみました。日本は江戸時代の半ば過ぎくらいでした。


主人公はオスカルです。
しかしなんといっても物語りの舞台はフランス革命で、そのフランスの行く末の鍵を握るのは、若くしてフランス王妃となったマリー・アントワネット。
彼女がこの時代のフランスの運命の鍵となったのです。
贅沢三昧の暮らしで国家財政を窮乏に追い込んでしまうのですが、果たしてマリー・アントワネットが全て悪かったのでしょうか。
フランス革命で掲げられた「自由・平等・博愛」は、ここまでの王政がもう限界に来ていたことの現われでもあるのでしょう。


いまだにこの作品の人気を誇る要因の一つは、宝塚歌劇団による舞台化によるところも大きいのでしょう。
いまや「タカラヅカ」の代名詞のようなこの作品ですが、初演時は漫画が原作とうことも影響したりして、いろいろな苦難があったようです。
しかしいざ上演すると社会現象となるほどの人気となり、通算上演回数は1500回を突破しているそうです。
ちなみに1974年の初演時の演出を担当したのは俳優の長谷川一夫氏だったのだそうです。


この作品の人気を不動にしたもうひとつであるテレビアニメも忘れてはならないでしょう。
1979年に日本テレビ系列で放送されました。1990年には劇場版アニメも公開されています。
1979年のテレビアニメよりちょっと前に実写映画が公開されたようなのですが、
配役も外国人で、フランス政府の協力でヴェルサイユ宮殿での撮影を特別に許可されるなどしたにもかかわらず、
映画自体はヒットしなかったようです。
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1755年 オーストリアでマリー・アントワネット生まれる。
1760年 (第10代将軍に徳川家治)
1770年 マリー・アントワネットがルイ16世と結婚。
1774年 ルイ16世即位。
1787年 (第11代将軍に徳川家斉)
1789年 三部会の召集。ヴァスチーユ牢獄襲撃。
1791年 国王一家の国外逃亡未遂。立法議会開催。
1792年 王政廃止。第一共和制始まる。
1793年 国王とマリー・アントワネット処刑。
1795年 総裁政府成立。
1804年 第一帝政開始。ナポレオン皇帝即位。

(漫画本エッセイ166)