キャプテン翼

ジャンプ・コミックス 全37巻

作者:高橋陽一
出版社:集英社
初出時期:1981年(少年ジャンプ)
分野:少年マンガ
ジャンル:サッカー
内容:日本のサッカー人気に火を付けた、いまだに大人気のサッカー漫画の代表的巨編。


この頃まだ日本はJリーグなど構想も出てきていない時代で日本リーグというものがあったものの、
国内には観客15000人以上を収容できるサッカー専用競技場は存在していませんでした。
一試合の観客動員数も1000人ほどしか入っていなかったそうです。
しかしこの作品の登場のおかげで日本におけるサッカーの知名度や人気が徐々に高まっていったといっても過言ではないでしょう。


主人公の大空翼の小学校の時代から話は始まります。
そして純粋にサッカーが大好きで「ボールは友達」とまで言うこの少年の成長が描かれていく息の長い作品となっています。
小学校の時の翼はセンターフォワードでしたが、中学からはミッドフィルダーになりました。
この辺からミッドフィルダーが近代サッカーの花形的存在となり、多くの名選手が登場してくるのではないでしょうか。
翼の得意技の「ドライブシュート」や「オーバーヘッドキック」を真似た少年も多かったのではないでしょうか。
小学校から始まって全日本ジュニアユースに選ばれ、世界の強豪たちと対決するところまで描かれ、一旦終了しましたが、
その後しばらくしてから短期連載などが始まり、現在まで時と共に成長しながら続いてきています。
今も翼や他の仲間たちも国内外でプロとして活躍しています。


なんと言ってもこの作品の最大の人気の秘密は、多くの魅力的なキャラクターたちが翼と共に成長していくというところでしょう。
翼とゴールデンコンビを組むMFの岬太郎。
翼の前に最初に立ちはだかったGKの若林源三。
永遠のライバルのFWの日向小次郎など、数え上げたらきりが無いほど多くのキャラクターたちが登場してきます。
舞台となる南葛市はサッカーが盛んな静岡市がモデルになっているようですが、
名前は作者の高橋陽一氏の出身地である東京都南葛飾の略になっているようです。


12頭身以上ありそうな体型やあまり変わらない幼い顔つきなど、好き嫌いが出ている作品ですが、
日本のサッカーの人気度を上げた功績は多大なものがあるのではないかと思います。
1983年にテレビ東京系で放送が始まったテレビアニメも大人気となりました。
その後も映画やゲームなど様々な分野で作品化され人気を博してきました。
今や世界的にも大人気となっている作品です。

(漫画本エッセイ162)