３ THREE

少コミフラワーコミックス　全14巻

作者：惣領冬実
出版社：小学館
初出時期：1988年（少女コミック）
分野：少女マンガ
ジャンル：音楽・バンド
内容：アイドルを目指している理乃と天才的なギタリスト中野目圭との出会いから始まる感動の音楽サクセスストーリー巨編。

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この作品が始まった80年代末といえば、70年代80年代と続いてきた外国人アーティストのブームも陰りを見せてきていた頃で、
日本ではTHE BLUE HEARTSやプリンセス・プリンセス、聖飢魔IIなど、
様々なタイプのバンドグループが登場してきた時代だったと思います。
そういう時代に登場したこの作品は、バンドというものの醍醐味を満喫してくれると思います。
しっかりとしたディテールで描かれた音楽というものを楽しめる作品だと思います。

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この作品は、とても情緒的なコマ割りや雰囲気のある絵柄から、読んでいると誌面から音楽が聞こえてきそうになってきます。
理乃の歌や天才的な圭のギター、それに圭の歌声は、いったいどんな感じなのか聞いてみたい気になります。
そしてこの作品は音楽だけではありません。
若さゆえの苦悩、甘え、そして子供から大人への成長、孤独からの脱却、運命的な出会いや様々なしがらみなど、
それぞれの登場人物の人間としての生き方が深く描かれ、それぞれの登 場人物に思わず感情移入していってしまいます。

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この作品のセリフも味わい深いものが多いように感じました。
「声は地球上で一番優れた楽器だと思う」というセリフが出てきます。
アカペラで歌っているゴスペラーズなどを聞いたりすると、本当にそうかもしれないと思います。
他にも数々の心に響くセリフがとても印象的です。
作者の惣領冬実氏のセンスの良さが感じられます。

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「３ THREE」というタイトルも意味深く、いろんな意味合いを含んでいると思います。
ともかく一度読んだだけではもったいないような作品です。
何度も読んでみると、いろいろと感じられるところが出てくる味わい深い作品です。
音楽を目指す若者は、是非一度読んでみてはいかがでしょうか。

（漫画本エッセイ160）