ゲゲゲの鬼太郎

完全復刻版ゲゲゲの鬼太郎 全9巻

作者:水木しげる
出版社:講談社
初出時期:1965年(少年マガジン)
分野:少年マンガ
ジャンル:妖怪
内容:いまだに大人気の「ゲ、ゲ、ゲゲゲのげ〜」で始まるアニメソングでお馴染みの、妖怪の第一人者・水木しげる氏の代表作。


いまだに人気の高い作品ですが、世に登場したのは、だいぶ古い時代となります。
そもそもは昭和の時代に紙芝居の「ハカバキタロー(墓場奇太郎)」という作品があったそうです。
その作者の承諾の上で、水木しげる氏がオリジナルの紙芝居に仕立てたのが、鬼太郎の原点ということのようです。
その後1959年から貸本という形で現在の鬼太郎の原型が定まっていきました。
そして1965年に「週刊少年マガジン」で掲載された読みきり作品の「墓場の鬼太郎」で、初めて鬼太郎が全国的に登場しました。
最初は人気も出ず打ち切りになりかけましたが、
内容が「怪奇物語」から「妖怪退治」に変わると徐々に人気を増していき、
1968年のアニメ化の際に、スポンサーの要望で「墓場の」が「ゲゲゲの鬼太郎」に改題されました。


アニメ化により漫画作品よりもアニメでしか見た事がないという方も多いと思いますが、
水木しげる氏の描く漫画の世界はアニメとはちょっと違って、非常におどろおどろしい世界観になっており、
熱烈なファンも少なくないようです。
特に水木しげる氏の描く普通の人間は、妖怪以上に何だか不気味な感じがするのは私だけでしょうか。
また、水木しげる氏は妖怪という分野では第一人者であり、
世界妖怪協会会長、日本民俗学会会員、民族芸術学会評議委員なども勤めているのです。


ともかく妖怪というものがここまでの人気になったのも、その各妖怪のキャラクターの豊かな個性によるところが大きいのでしょう。
主人公の鬼太郎はもとより、目玉おやじ、ねずみ男、砂かけ婆、子泣き爺、一反木綿、ぬりかべ、ねこ娘と、
頼りになる仲間の妖怪たちは、皆人気があります。


なんと言っても過去4度に渡るアニメ化は、60年代、70年代、80年代、90年代と見事に各時代で放映されてきたため、
その世代ごとの子供たちに指示されてきました。
さらに、ご存知「ゲ、ゲ、ゲゲゲのげ〜」で始まる水木しげる氏作詞による同じ主題歌が一貫して使われてきたことも、
大人気となった大きな要因ではいかと思います。
ちなみに第1作目は滝口順平、第2作目は熊倉一雄、第3作目は吉幾三、第4作目は憂歌団がそれぞれ唄っていました。


アニメの他に実写版も制作されました。
1985年にフジテレビの月曜ドラマランドで放映されました。
ねずみ男を竹中直人氏が演じていました。
他にも渡辺えり子主催の劇団30○によって「ゲゲゲのゲ」というタイトルで舞台化もされています。
2007年4月には初の実写映画が公開されました。
配役は鬼太郎がウエンツ瑛士、ねずみ男が大泉洋、ねこ娘に田中麗奈、砂かけ婆に室井滋、子泣き爺に間寛平となっています。
(漫画本エッセイ150)