講談社コミックス 全27巻
原作:金成陽三郎
作画:さとうふみや
出版社:講談社
初出時期:1992年(少年マガジン)
分野:少年マンガ
ジャンル:ミステリー
内容:あの金田一耕助の孫、金田一一が怪事件の謎を次々と解き明かしていく本格ミステリー作品。
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本格的なミステリーと言う内容は、テレビドラマやアニメと共に、今だに人気となっている作品です。
「ミステリー漫画」というジャンルを確立した作品ではないでしょうか。 主人公が高校生というのも少年誌らしい設定で学園ものの要素も兼ね備えています。 しかし内容は本格的推理小説などにも劣らない、素晴らしいミステリーに仕上がっていると思います。
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主人公は、「じっちゃんの名にかけて」でお馴染みの、金田一耕助の孫である金田一一(きんだいち はじめ)。 成績は最低でスポーツもダメ、遅刻やサボリの常習犯だけど、
実は入学試験をトップで合格しているIQ180という大天才なのです。 その頭脳を使って、現職の刑事も顔負けの推理力で次々に事件を解決していきます。
ちなみにこの名前を縦書きにすると「金田二」のように見えるので、
最初の頃は「キンダニ」と言われたり、「カネダイチイチ」と言われたりしていました。
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テレビドラマ、アニメ共に大人気となり、テレビドラマは何度もシリーズ化されて放送されました。
最初のシリーズはKinKi Kidsの堂本剛が主役を演じ、
はまり役との評価も高く、堤幸彦監督の出世作ともなり人気に火がつきました。
その後も同じジャニーズ事務所の松本潤、亀梨和也が金田一を演じてきました。
最初のシリーズの剣持警部役は今は亡き古尾谷雅人が演じ、いい味を出していました。
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作画のさとうふみや氏は、本名・佐藤文子(さとうあやこ)、女性なのです。
絵のタッチを見ると、やはり女性ならではの繊細さを感じられます。
2000年末に一旦連載は終了しますが、その後もファンの声に押されて、短期連載が行われ、
2005年には新シリーズの連載が開始されました。少年週刊誌での連載と言うこともあるのでしょうが、
もう少し一つ一つの事件をじっくりと描いてもいいのではないかと感じました。
せっかくの素晴らしいストーリーが、もったいないような気がしました。
しかし、ミステリー好きの人にも十分満足できる作品だと思います。
(漫画本エッセイ141)
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