モーニングKC 全20巻
監修:青木雄二 原作:田島隆 作画:東風孝広
出版社:講談社
初出時期:1999年(モーニング)
分野:青年マンガ
ジャンル:行政書士
内容:行政書士事務所職員という、一般社会で弱者を法律で救う熱血正義感の社会派ドラマ。
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最初にぱっと見ると「ナニワ金融道」?と思うのも、
作者の東風孝広氏は青木雄二氏のアシスタントをしていたと言うのだから納得です。
監修にも青木氏の名前が入っています。
でも作品の内容は金融関係でなく、行政書士の世界が描かれています。
一般人にとっては弁護士よりも何をやっているのかよくわからない職業ですが、
やはり法律に携わる職業なのです。
弁護士よりももっと気軽な街の法律屋さんといった感じでしょうか。
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タイトルの「カバチタレ!」は、広島弁で「屁理屈をこねるやつ」のことを言うのだそうです。
舞台も広島なので、セリフは広島弁になっていて、
絵の割りにはその言葉使いで何だか迫力を感じてしまいます。
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この作品を読んでいると、法律を知らないばかりに、
損をすることがいかに多いかということを感じさせられます。
今の世の中、法律は弁護士やこういった行政書士のような人たちが知っていればいいというだけでは、
いけないのかもしれません。
学校で教えてくれない以上、ある程度の法律は自分で勉強して知っていても損は無いだろうと思います。
六法全書などの法律の本をそのまま読むなんて事はとてもじゃないけど無理だと思うので、
この作品のような漫画を読むだけでも、全く知らないよりはいいのではないかと思います。
この作品を読んでいると、他にももっと法律の知識を知りたいと思うようになってくるかもしれません。
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法律は平等であって平等ではない、そんな理不尽なこともままあるわけで、
普段ではなかなか解からない、世の中のシビアな部分を感じさせてくれる作品だと思います。
自分なんかには関係ないと思っていても、
この作品で出てくるような災難は自分の身にいつ襲ってくるか解からないのです。
監修となっている青木雄二氏の新作は、もう読むことはできませんが、
そのポリシーはしっかりと受け継がれているようです。
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2001年にドラマ化され、フジテレビ系列で放映されました。
主人公の田村や同僚の栄田は女性に置き換えられ、
常盤貴子と深津絵里が演じ、なかなかの面白いコンビを見せていました。
原作のようなキャラのままより良かったかもしれません。
(漫画本エッセイ140)
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