少年サンデーコミックス 全20巻
作者:曽田正人
出版社:小学館
初出時期:1995年(少年サンデー)
分野:少年マンガ
ジャンル:消防官
内容:主人公の朝比奈大吾が消防士となって災害に巻き込まれた人々を救っていく、熱い消防官(ファイアファイター)の物語。
◆
ある意味ヒーローもの作品ですが、SFなどのようなものではなく、
実際にある職業の消防官が主人公となっています。
火災だけでなく、様々な災害に立ち向かう消防官の姿が、感動的に描かれています。
◆
主人公の朝比奈大吾は、幼い頃に火災に巻き込まれて消防士に助けられたことから、
大吾にとってのヒーローは、消防官(ファイアファイター)になって、
自らも消防官となって人々を助けることに命をかけるのです。
配属された「め組」と呼ばれる、めだかヶ浜出張所で、ちょっと空回りしながらも、
次々に起こる災害に立ち向かっていき、少しずつ成長していくのです。
◆
非常に迫力ある絵柄は、線もきれいで、こういった内容の作品には、合っていると思いました。
ただ主人公をはじめ、各キャラの魅力が少し弱いような気もしました。
しかし、火災などの災害での消防官たちの思いや危機感は十二分に伝わってきて、
どんどんのめりこんでいく事ができると思います。
◆
作品中で一方で語られているひとつに、秩序無く手をつけられていく都市開発などで、
自然界のバランスが崩れ、様々なひずみが生じてきて、
思いもよらない災害が起こったりすると言う事が書かれています。
確かに災害を防ぐための事業が、さらに大きい災害を生んだり、
「便利」のために自然を潰しながら作られていく開発事業は、
想像のできない災害を起こすことになったりするのは、
近年のニュースを見ていると感じる事ができると思います。
この作品から、そんなことを考えさせられました。
◆
1999年の夏にアニメ映画が作られ、
その後フジテレビで「ファイアーボーイズ〜め組の大吾〜」というタイトルでドラマ化されました。
主人公の朝比奈大吾役は山田孝之が演じ、塚本高史、内山理名などが出演していました。
少々原作の漫画を意識しすぎたのか、キャラ作りが大げさ過ぎる感じで、
少々リアリティが欠けた感じがして、ちょっともったいないような気がしました。
(漫画本エッセイ137)
|