ビッグコミックス 全10巻
原作:猪瀬直樹
作画:弘兼憲史
出版社:小学館
初出時期:1991年(ビッグコミック・オリジナル)
分野:青年マンガ
ジャンル:社会・ヒューマン
内容:社会での放送ジャーナリズムの役割を考える問題作。
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現代社会における正義とは何か。
そんな問題提起をいてくれる、弘兼憲史氏お得意の社会派ヒューマン・サスペンスです。
原作があの猪瀬直樹氏ということもあり、さらに鮮烈な印象の内容になっているのではないでしょうか。
事件の本当の真実への追求は、通常のサスペンスやミステリーとは少し違った味わいを感じられると思います。
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青春時代を学生運動に費やした熱血漢の日野プロデューサーが立ち上げた、
一日の最後に放送される「ラストニュース」という報道番組が、この作品の舞台となります。
真実の追究に駆け回るスタッフの姿を見ていると、テレビの報道はすごくたいへんな現場なんだと感じました。
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一つ一つのストーリーがとてもよくできていて、現代社会の裏の部分が非常に良く描かれています。
さすが猪瀬直樹氏だと感じられる作品になっています。
放送ジャーナリズムが抱える様々な問題が見えてきて、
テレビというメディアが社会に与える影響は大きく、善にも悪にも成り得る存在なのだと感じました。
こういった少々難しい内容でも漫画というメディアのおかげで、
解かりやすく楽しんで読む事ができるのだと思います。
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「マスコミは問題提起をする義務はあっても人を裁く権利はない」など、
作品中に出てくるこういった言葉を見ると、実際のマスコミは本当にそうなっているのだろうかと感じてしまいす。
最近テレビに出てくるコメンテーターなどは、その辺を踏まえているのだろうかと感じてしまいます。
(漫画本エッセイ135)
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