SLAM DUNK スラムダンク

ジャンプ・コミックス 全31巻

作者:井上雄彦
出版社:集英社
初出時期:1995年(少年ジャンプ)
分野:少年マンガ
ジャンル:バスケットボール
内容:主人公の桜木花道を中心に高校バスケットボールを舞台とした日本のバスケブームの火付け役にもなった大人気作品。


バスケットのバイブル的存在においている人も少なくないほどの、いまだに高い人気を得ている作品です。
読み始めると止まらずに、一気に最後まで読んでしまうほど、思わずのめりこんでしまいます。


中学3年間で50人の女の子にふられてしまったという主人公の桜木花道は、
高校生になっても性懲りもなく、ふと声をかけてきた赤木晴子に一目惚れしてしまいます。
その「バスケットはお好きですか?」の一言から、桜木花道もバスケットへの道が始まるのです。
派手な赤い頭のヤンキーの桜木花道は、いいかげんな感じでバスケットを始めました。
しかし根っからの負けん気も手伝って、どんどんバスケットの魅力に引き込まれていくのです。


ともかくこの作品の最大の魅力のひとつは、
主人公の桜木花道だけではない他のキャラクターの素晴らしさではないでしょうか。
チームメイトの赤木、流川、三井、宮城だけでなく、対戦相手にも魅力的なキャラクターがたくさんいます。
その魅力的なキャラクターたちが、暑い血潮をみなぎらせて戦う姿は感動ものです。
やはりこういった作品には魅力的なライバルの存在が不可欠なのだと思いました。
そして、ひとりひとりの情熱や個性を見事に描き分けているもうひとつの魅力が、
作者の井上雄彦氏の絵なのではないでしょうか。
リアルタッチの絵柄は、一昔前の劇画タッチとはちょっと違い、描かれる線はけっこうきれいで美しいと思います。
リアルだけどデフォルメが効いる迫力のある絵は、バスケットの魅力と熱い戦いの臨場感が思う存分伝わってきます。


最後の試合は感動ものだったと言う意見をよく聞きますが、
確かに最後の数十ページにおよぶ無音の世界は、言葉が無くとも伝わってくる感動で興奮してしまいます。
私としては県大会の決勝リーグの2戦も感動しました。
夢に焦がれた全国大会に出るための最後の戦いは、それぞれの思いが伝わってきて、
桜木花道の成長とともに、死力を尽くした戦いがハラハラとしながら熱く伝わってきました。
ともかく、最後まで試合の興奮と感動で、思わずページをめくる手に力が入ってきたのは私だけでしょうか。


1993年からテレビ朝日系列で放映されていたテレビアニメも、ビデオやDVD化されていて、
今でも高い人気を得ているようです。

(漫画本エッセイ128)