ケンタウロスの伝説

プレイボーイ・コミックス 全2巻

原作:オサム 作画:御厨さと美
出版社:集英社
初出時期:1981年(週刊プレイボーイ)
分野:青年マンガ
ジャンル:オートバイ
内容:実在したライダー達のチームを元にした、硬派な単車を愛する人間達のストーリー。


週刊プレイボーイで連載されていたレアな作品です。
現在ではちょっと手に入れることが困難だと思います。
KAWASAKIのZ400FXに乗る主人公の箱崎健が、
実在した横浜の伝説的バイクチーム「ケンタウロス」の連中とと知り合った所から話が始まります。
実際にあった話が元になっているためか、
全2巻と短いながら、良い映画でも見たような余韻を感じられる素晴らしい作品です。


おいしいコーヒーを飲みに行く為だけに、
横浜から神戸まで単車で走って行 く「600マイルブレンド」は、あまりにも有名な話です。
その豪快さには驚かされました。
バイクでの走行は、想像以上に体力を使うのです。
ノンストップでこの距離を走破するには、尋常の人間では不可能だと思います。


一般的にはどうもバイク=不良的な考えもあるようですが、
誰でも一度はバイクに乗ると言うことに憧れを持ったことはあるかと思います。
この作品は大人の不良という感じで、そこにはやはりちょっと一本筋が通っている感じがします。
思わずバイクに乗ることに憧れを抱きたくなるような作品です。


作画の御厨さと美氏の絵は個性的で、自分としては好みのタッチです。
特にバイクのメカニカルな部分は、とても魅力的に仕上がっていると思います。
全2巻と短い作品で、もう少し見てみたかったという思いが残りました。


作品に登場してくるケンタウロスのボスの言葉で、感銘を受けた言葉がありました。
「世の中には二種類の人間しかいない。バイクに乗る奴と、乗らない奴だ」というのがありましたが、
ひとつの生き様の哲学を感じました。

(漫画本エッセイ115)