ビッグコミックス 全17巻
作者:一丸
出版社:小学館
初出時期:1990年(ビッグコミック・オリジナル)
分野:大相撲
ジャンル:青年マンガ
内容:若くして相撲部屋のおかみさんとなった女の子の奮闘記で、大相撲の世界が人情味あふれるストーリーで描かれている作品。
◆
サブタイトルに「新米内儀相撲部屋奮闘記」とあるように、相撲部屋の新米おかみさんを描いた作品です。
ちょっとおっちょこちょいなおかみさんの奮闘振りがとても面白いです。
新しく立ち上げた相撲部屋の若い力士達との心温まるお話に、ほろりと泣ける場面もあます。
相撲部屋の裏事情も少し覗けたりと、相撲好きにも、そうでない方にも楽しめる作品だと思います。
◆
基本的には各エピソードが一話完結方式になって進んでいきます。
それぞれの話が人情味にあふれ、 やる気を失った時にこそ読みたい作品ではないかと思います。
大相撲の世界の一番一番の勝負に賭ける力士たちの生き様を、
人間としての生き方も交えて実感できると思います。
◆
絵柄は相撲の迫力も十分感じられるタッチです。
土俵での勝負の部分と相撲 屋などでの生活の部分がうまく入り混じり、
飽きさせることなく読み進められると思います。
若手の力士たちも、それぞれのキャラクターがうまく作られています。
個人競技である相撲という、ひとりひとりの勝負の世界だけど、
おかみさんや親方の人間性が、厳しいけれどやさしく、暖かい相撲部屋の仲間たちが描かれています。
◆
新しい相撲部屋で、まだまだこれからの力士たちが、
勝ったり負けたり、番付が上がったり下がったりする中で苦悩し、戦い続けます。
作者の一丸氏は元力士だったらしいので、
そういった力士たちの細かい気持ちの部分まで描くこ とができたのではないかと思います。
(漫画本エッセイ114)
|