タッチ

小学館文庫 全14巻

作者:あだち充
出版社:小学館
初出時期:1981年(少年サンデー)
分野:少年マンガ
ジャンル:野球
内容:上杉家の双子・達也と和也、そしてその隣に暮らす幼なじみの浅倉南が織り成す高校野球を舞台にした青春ドラマ。


原作の漫画もアニメも、80年代の野球漫画としても、
青春漫画としても最大の人気となった作品ではないでしょうか。
名前だけでも、ほとんどの人が知っている作品だと思います。


野球部のエースで優等生の和也に対し、兄の達也は物事にとらわれることなく、マイペースに生きるタイプ。
和也は幼なじみの浅倉南のために、甲子園への出場を目指して野球に青春の情熱を注いできました。
そんな中、ストーリーは早い段階に悲劇の運命が訪れ、急展開します。
もはや知らない人はいないと思いますのでお話しますと、
兄の和也は不慮の死を遂げてしまうのです。
そしてそこからは、いつも情けなかった兄の上杉達也が話の中心となり、
和也の意思を継いで野球部に入って、甲子園を目指すのです。


あだち充氏の絵柄は割と平凡なタッチではありますが、
その作風はどこか日本映画のような「間」がコマ割りの中から感じられます。
スポーツものですが、 激しいスポ根ものという感じではなく、朴訥とした雰囲気ながらも、
若い青春 の息吹を感じることができる作品だと思います。


なんと言ってもこの作品が大人気となったひとつの要因は、
アニメでの浅倉南の声優の日高のり子さんの存在でしょう。
もうひとつは、岩崎良美さんの歌う主題歌も忘れられないでしょう。
やはりアニメというものは内容だけでなく、
声優や主題歌などがいかにその作品にマッチしているかというところが、
名作となるためには大事な要因ではないでしょうか。


1987年にフジテレビ系列で実写ドラマ化されました。
2005年には実写映画が公開されました。
達也と和也の役は双子の斉藤祥太・慶太兄弟が演じ、

(漫画本エッセイ112)