ブレイクショット

講談社漫画文庫 全8巻

作者:前川たけし
出版社:講談社
初出時期:1987年(少年マガジン)
分野:少年マンガ
ジャンル:ビリヤード
内容:高校生の主人公・織田信介が世界で戦うビリヤードの物語。


この作品が連載されていた頃、日本ではビリヤードブームが起こっていました。
映画「ハスラー2」のヒットも影響したのか、
あちらこちらに今はほとんど見なくなった「プールバー」がたくさんオープンして賑わっていました。
そんなブームに乗って始まった作品です。


主人公の織田信介は、高校生ながらビリヤードに非凡なセンスを持っています。
様々な試合の中でいろんな技を持つライバルが現れ、死闘を繰り広げていくのです。
それぞれのライバルたちは現実離れした技で挑んできます。
それはまあ漫画ならではの楽しさがあります。
でもすさまじい威力で突いた手玉を的玉に当てて粉々にして、
その破片で他の玉を落とすなどと言うのもすごい発想の技でした。


絵柄はとても見やすく、しっかりした線で描かれていると思います。
主人公のキャラは少々弱いような気がしました。
この辺がもう少し魅力的だったらもう少し人気も出たのかもしれません。
ちょっと打ち切り的な終わり方だっ たようにも感じました。


まあ、現実離れしたショットの応酬ではありますが、
実際にビリヤードをやったことのある方ならわかると思いますが、
そんなに難しいものではなく、誰でもある程度はできるようになると思います。
そしてけっこう奥が深く、うまくなるにつれて楽しくなってくると思います。
実際にプロは素晴らしい正確さで信じられないショットを放つことができるし、
ジャンプやカーブさせたりすることもできるわけで、
そういったことを踏まえて読むと、より楽しめる作品だと思います。

(漫画本エッセイ111)