キングコミックス 全13巻
原作:梶原一騎
作画:永島慎二・斎藤ゆずる
出版社:少年画報社
初出時期:1967年(少年キング)
分野:少年マンガ
ジャンル:スポーツ・柔道
内容:車周作に弟子入りした一条直也は、必殺技”地獄車”を習得し、次々と強敵と戦う。
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だいぶ古い作品です。
柔道マンガの元祖と言っていい、王道のスポ根作品です。
この作品が登場する3年前、日本では戦後最大のイベントである東京オリンピックが開催されました。
無差別級決勝戦で、日本がオランダのヘーシンクに敗れたというショックから、
日本柔道再興を自ら果たすためという目標を掲げた主人公の一条直也が、
元講道館の鬼車と呼ばれた車周作に弟子入りすると言うところから物語りは始まります。
当時の柔道ブームと共にこの作品は大人気となりました。
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梶原作品にはお決まりの、実際の技ではありえないマンガならではの「必殺技」 は、
当時の子供たちも大熱中したものです。
2段投げなどは実際にはとうていできそうもありませんが、
地獄車は実際に試してみた人も多いのではないでしょうか。
実際の柔道はこんな風にスカッと勝負がつくことは無いので、そこはマンガならではの楽しさでしょう。
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主人公の一条直也は、絵の感じも手伝ってか、少々キャラクター的には弱い感じがします。
かえって師匠の車周作の方が、キャラクター的には強烈なイメージでした。
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1969年から始まった実写版テレビドラマも日本中で大人気となりました。
1クールの予定が、あまりの人気で92話まで延長されて放映されたそうです。
主役の一条直也を演じた桜木健一さんは、マンガから出てきたようなはまり役だったと思い ます。
さらに車周作役の高松英郎さんも本当に漫画とそっくりで、
あの濃い眉や大きい目で睨みつけられると、本当に迫力がありました。
度々名場面集などで出てくる近藤正臣さん演じる結城真吾が足でピアノを弾くというシーンは、
今見るとちょっと笑えます。
(漫画本エッセイ108)
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