小学館文庫 全7巻
作者:篠原千絵
出版社:小学館
初出時期:1984年(少女コミック)
分野:少女マンガ
ジャンル:サスペンス
内容:瞳の色が紫に変わる時、倫子の身に戦慄の運命が訪れる。思わずのめり込んでしまうサスペンスロマンの最高傑作。
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倫子は父と妹と暮らす高校三年生。
幼馴染で同級生の水島慎也に恋するごく普通の女の子にすぎません。
唯一変わった点があるとすれば、生まれつき左腕に不思議な形のあざがあることぐらいでした。
そしてそのあざが濃くなり だして、作品の冒頭から物語は一気に展開していきます。
まわりくどさのない素早い展開は、気がつくと作品にのめり込んでいっています。
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ともかくテンポよくストーリーは進んでいきます。
主人公の倫子は、のろわれた運命に引きずり込まれるように、次々と自分の身の回りに事件が起きてい くのです。
そうした張本人は全て曽根原先生なわけですが、
どうしてそこまで 倫子をいじめるのかと、すっかり感情移入してしまうほど憎々しいキャラ作り上げられています。
◆変身人間というと、ちょっと聞いただけではヒロインチックな感じですが、 仮面ライダーなどもそうなのですが、
そこには変身人間なるがゆえの苦悩に満ち溢れた悲劇が繰り広げられるのです。
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絵柄も少女漫画らしい綺麗な線ですっきりとした美しい描写で、どちらかというとハードな内容がドラマチックに感じられます。
だいぶ昔の作品ですが、まったく古さを感じさせません。
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1996年にテレビ朝日系列でドラマ化されました。
倫子を演じたのは雛形あきこさんでした。
水島慎也役の加藤晴彦さんや、曽根原先生役の中村あずささんは、ちょっと物足りないかなという感じがしました。
曽根原先生をできる人は、そうはいないのではないかと思いました。
(漫画本エッセイ105)
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