あぶさん

ビッグコミックス 現在104巻 連載中

作者:水島新司
出版社:小学館
初出時期:1973年(ビッグコミック・オリジナル)
分野:青年マンガ
ジャンル:スポーツ・プロ野球
内容:代打に生きる景浦安武の大河プロ野球ロマン。


完結したら取り上げようと思っていたのですが、何だかまだまだ終わりそうも無いので、とうとう取り上げてしまいました。
とんでもなく長い時代にわたって続いて、今もなお連載中の超長編作品です。
連載開始の時に主人公のあぶ さんこと景浦安武は26歳、そのまま時代と共に作品中で歳をとっていきます。
2009年についに引退することになりましたが、63歳まで現役という信じられないようなとんでもない怪物なのです。
そしてさらに自分の息子とプロ野球の舞台で戦ってしまうのです。
こんなありえないようなことなわけですが、そこが漫画のいいところ、なんとも 夢ある楽しい設定ではないでしょうか。


作品のストーリーは、実際の時代背景をそのまま取り込んでいるので、
日本のプロ野球界の歴史を堪能することができるという楽しみ方もできます。
第1 話の始まった年は37年も前にさかのぼり、長島や王などもまだ現役で、
あの野村監督も現役で、選手をやりながら南海ホークスを率いていたのです。
そして、あぶさんのいた南海ホークスは福岡ダイエーホークスとなり、
今やソフトバンク・ホークスとなっ て、プロ野球界は交流戦まで行われるようになりました。
時代の流れを感じます。


あぶさんは無類の酒好きの酒豪で、バットに酒しぶきをあびせてから打席に立ち、
物干し竿と呼ばれるとんでもない長いバットで代打の切り札として登場してきます。
景浦將(大阪タイガース)、藤村富美男(大阪タイガース)、土井正博(近鉄バファローズ、
太平洋クラブライオンズなど)、永淵洋三(近鉄バファローズ、日本ハムファイターズ )らが、
モデルとなっているようです。
しかし一体いつまでこの作品は続くのでしょうか。 


新潟の古町通5番町に、ご当地出身の水島新司氏の代表作である「あぶさん」 を始め、
「ドカベン」などのキャラクター像が飾られた「水島新司マンガキャラクターストリート」が誕生したそうです。
新潟にお寄りの際は、是非見に行 ってみてはいかがでしょうか。

(漫画本エッセイ102)