スケバン刑事

花とゆめCOMICS 全22巻

作者:和田慎二
出版社:白泉社
初出時期:1976年(花とゆめ)
分野:少女マンガ
ジャンル:刑事
内容:元スケバンの麻宮サキが刑事となって世の中の悪と戦っていく。


70年代にテレビドラマでも絶大の人気を博した超人気作品です。
「スケバン」という、今では死語になっているような言葉ですが、
そのスケバンである主人公の麻宮サキが学生の身分で刑事という使命を与えられるという漫画ならではの設定です。
アメリカでは実際に学生が刑事ではないですが、警察の仕事を手伝うということがあると、以前テレビで見たことがあります。
だから学生刑事というのも実際あったら、場合によってはけっこう捜査に役立つのではないかと思いました。


ストーリーも、単純な勧善懲悪ものと言うだけでなく、ひとつひとつの事件はたいへんよく練られた内容だと思います。
下手なサスペンスモノよりも数段面白いのではないでしょうか。
サキの生き様にも高校生とは思えない迫力を感じ、現代社会でも十分通用する説得力のある台詞が感銘を受けます。


漫画らしいといえば、サキの強さが生半可ではないということでしょうか。
縄で縛られた手の間接をはずして縄をほどくというのは凄まじいものです。
そのあたりがヒーローもの的な部分もあって、面白いのかもしれません。
そして忘れてはならないのが、最大の武器である金属製のヨーヨーです。
そこに桜の代紋が刻まれているというのは、すごくいいアイディアだったのだと思います。
これがあったからこそ、テレビでも長く人気が続いたのではないかと思います。

テレビでは斎藤由貴主演で実写ドラマとして放映されました。
大人気となり 2代目は南野陽子、3代目は浅香唯が主演となって作られました。
これはもう原作とは離れていき、テレビドラマの独自の設定となっていき、
仮面ライダーのようなヒーロー的な感じになっていきました。
そしてちょっと間が開いて、2006年に松浦亜弥が主演の映画が公開されました。

ちょっと古い感じの絵だとは思いますが、ストーリーの完成度も高いとあって、今見ても十分面白く読むことができます。

(漫画本エッセイ092)