わずか1小節のラララ

マーガレットコミックス 全1巻

作者:くらもちふさこ
出版社:集英社
初出時期:1976年(別冊マーガレット)
分野:少女マンガ
ジャンル:青春・音楽
内容:ロック・コンテスト優勝を目指す蘭丸団の仲間たちの友情と恋の物語。


くらもちふさこ氏のだいぶ初期の頃の作品です。
くらもちふさこ氏の作品は、センスの良いストートーリーと、ひとコマひとコマの素敵な絵との調和が、
とても気持ちよく読ませてくれます。


「わずか1小節のラララ」は、
「わずか5センチのロック」「わずか1/4の冗談」「わずか1小節のラララ」の
3つの短編作品が収められた本なのですが、
全く違った作品ではなく、「蘭丸団」というバンドのシリーズものになっています。
各収録作品のタイトルは非常に上手くつけられたタイトルだと思います。 なぜ「わずか」なのか?
「5センチのロック」とは?
「1/4の冗談」って何だろう。
「1小節のラララ」って?
全て読んでみると、なるほど納得のタイトルだと感じると思います。


この作品の最大の魅力は、
「蘭丸団」メンバーとそれを取り巻くそれぞれの個性的なキャラクターだと思います。
そして作品の中から友情や恋心などが、さりげなくにじみ出てくるところが、
なんとも心地よく感じられます。


くらもちふさこ氏の絵柄は昔からとても好みのものでした。
特に手と指の描き方がとても好きで(指フェチじゃないけど)、
ギターやピアノを弾くシーンの指はすごくきれいで素敵だと思いました。
自分的な好みとしては最近の作品の絵より、この頃の絵が一番好きです。

(漫画本エッセイ084)