モーニングKC 全28巻
作者:さだやす圭
出版社:講談社
初出時期:1988年(モーニング)
分野:少年マンガ
ジャンル:相撲
内容:相撲界の頂点・横綱に君臨する播磨灘が負けたら引退と豪語して勝ち進む、破天荒な土俵人生の物語。
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日本の国技とされる相撲が題材の作品は、そんなには多くないかと思います。
他のスポーツと比べると地味だからでしょうか。
技などの決まり事も多いから、奇抜な技なども出せないとうこともあるでしょう。
でもけっこう奥の深い部分も多いし、精神的な部分も面白いと思います。
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そんな相撲界で最強の地位である横綱が主人公の作品ですが、この横綱が超破天荒なのです。
その名は播磨灘。
第1巻からいきなり新横綱として登場し、負けたら相撲を辞めると宣言したのです。
元々横綱としての品格が欠けていると、播磨灘を良く思っていない相撲協会はこの発言に激怒しました。
相撲協会は播磨灘に土をつけるべく、様々な策略を練って刺客を送ります。
果たして播磨灘が負ける日は来るのでしょうか。
かぶり物で土俵入りしたり、女人禁制の土俵の上におばあさんを抱いて上が ったりと、
こんなことはまずありえないことでしょう。
しかし有無を言わせない強さの播磨灘を見ていると、
土俵のしきたりを破り続ける傍若無人の播磨灘は本当に悪なのかと思ってしまいます。
そして何だか楽しくスカッとしてくるのです。
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その昔、本物の力士は「チカラビト」と言って、魔除けや悪霊払いができたと言います。
この作品の主人公の播磨灘なら、そういうこともできそうな気がします。
こうしてみると、今年2010年2月に引退してしまった朝青龍が、破天荒さと強さという点でも、
この作品の播磨灘とすごーくダブって見えます。
最近の相撲界を見ていると、人気も落ち目で、ちょっと物足りないような気がします。
現在白鵬が横綱としてその強さを見せ付けているのですが、何か物足りない感じがします。
やはりそこには、強力なライバルが必要なのでしょう。
そしてそれに挑戦していく個性のある力士が必要なのでしょう。
昔のような個性溢れる力士が減ってきたような気がします。
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1992年にテレビ東京でアニメにもなりました。
半年ぐらいの放映でした。
(漫画本エッセイ073)
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