NYバード

マーガレット・コミックス 全3巻

作者:槇村さとる
出版社:集英社
初出時期:1982年(別冊マーガレット)
分野:少女マンガ
ジャンル:ミュージカル
内容:一流のダンサーとして認められた主人公・萩原愛子の次なる舞台はニューヨークのブロードウェイ。


1年前に連載されていた「ダンシング・ジェネレーション」の続編になります。
続編なのに「ダンシング・ジェネレーション2」などのタイトルにならず、
全く違ったタイトルになったのは、ストーリーは続いているのですが、
主人公の成長と方向性の内容の違いから、違う作品として確立したのではないかと思います。
だからこちらの続編から先に読んでも全く違和感はありません。
こちらを先に選んだのは、舞台のニューヨークが魅力的で、
ミュージカルというものの内側を初めて知った新鮮さ、
あとはこちらの方の登場人物のキャラの方が気に入ったからです。


前作ではダンスに目覚めた主人公が一流のダンサーを目指すわけですが、
今回の舞台はアメリカのニューヨーク。
あるきっかけでブロードウェイのミュージカルの舞台に立つことを目指すことになるのです。


どちらかと言えばオーソドックスなサクセスストーリーですが、
そのシンプルで分かりやすいストーリーや、舞台となっているニューヨークの風景の気持ちよさ、
それぞれのキャラの魅力などがうまく絡み合い、
ダンスやミュージカルのことを知らない人でも気軽に読むことができる作品だと思います。
欲を言えば3巻は少し短い。もうちょっとブロードウェイの内側などが事細かに描かれていたら、
もっと引き込まれたように思います。


作者の槇村さとる氏の絵は非常に綺麗な線で描かれています。
コマ割りのページ構成 もドラマチックに感じられます。
特にダンスシーンなども静止画だと言うのに、今にも動き出しそうな躍動感が感じられます。


作品中の気に入った言葉を一つ。
「いつも いつも 前のめりに 走ってられる わけじゃないって
1歩も進めないで 受身でいなきゃ ならない時もあるってことよ」
byサラ・マーロウ。

(漫画本エッセイ071)