ジャンプ・コミックス・デラックス 全12巻
原作:牛次郎 作画:ビッグ錠
出版社:集英社
初出時期:1973年(少年ジャンプ)
分野:少年マンガ
ジャンル:料理
内容:世界一の料理人を目指す塩見味平は数々の料理勝負に挑んでいく。
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今ではすっかり定着し、人気も高い料理マンガと言うジャンルを、
最初に確立した作品と言えるのではないえしょうか。
この作品が登場した当時は、今のようなグルメ志向など、まだまだこれからという時でした。
料理をテーマにした漫画なんて流行るのだろうかと思っていた人も多いのではないでしょうか。
それを様々な奇抜なアイデアで、読者に料理の面白さ楽しさを味合わせてくれました。
今でも十分読み応えの感じる素晴らしい作品だと思います。
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主人公は名人と呼ばれる板前のひとり息子の塩見味平。
厳しい料理の世界を知る父は、味平が料理の道へ進むことに猛反対しました。
しかし包丁人の血が流れている味平は、家を飛び出し料理の世界に飛び込んでいくのです。
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数々の料理対決は、昔流行っていたテレビ番組「料理の鉄人」の原型のようなものです。
その中でも、カレー戦争はこの作品のファンにとっては外すことのできないものでしょう。
醤油を隠し味に使ったり、福神漬けを工夫したり、水の温度にこだわったりと、
今読んでもワクワクする展開が続きます。
最近の料理マンガに比べると、それほど料理の絵は美味しそうではないかもしれません。
おいしい料理を見ると言うよりも、
作り上げるまでの様々なプロセス、創意工夫などの部分に面白さがある作品だと思います。
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ある程度年を召した男の人で、料理が好きだったり、趣味だったりする人は、
この作品に影響を受けている人も少なくないことでしょう。
特に包丁さばきなどは、この作品のまねをした人は多いのではないでしょうか。
(漫画本エッセイ061)
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