秋田文庫 全3巻
作者:手塚治虫
出版社:秋田書店
初出時期:1967年(少年サンデー)
分野:少年マンガ
ジャンル:時代劇・ホラー
内容:体の48ヵ所を奪われた百鬼丸が自分の体を取り戻すために相棒どろろと魔物退治の旅を続ける怪奇作品。
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戦乱の世、天下欲しさの親の野望のために体の48ヵ所の部分が足りないという怪奇な姿で生まれ、捨てられてしまった百鬼丸。
拾われた医師により、目は義眼、腕は刀の仕込んだ義手、足も仕掛けのある義足となって、普通の人間の姿になることができました。
この辺は、「ブラックジャック」に出てくる「ピノコ」と同じようなもののようです。
石ノ森章太郎の人造人間、またはサイボーグといった感じでしょうか。
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運命のいたずらによってそんな体となってしまった百鬼丸は、魔物
を1匹倒すごとに、失った体の部分を1ヵ所取り戻すことができるのです。
そして自分の体を取り戻すために、旅の途中で知り合った「どろろと」いう名のコソ泥少年と共に魔物退治の旅を続けるのです。
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最後は未完の感じで終わっていますが、そこにこそ作者のメッセージが隠されているような気がします。
手塚治虫氏ならではの、単なる妖怪退治のアクション物だけに留まらない何かが作品の中から感じられる作品だと思います。
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1969年にフジテレビ系でテレビアニメとなって放映されました。
まだモノクロ作品でしたが、それが逆に妖怪たちの不気味さが伝わってきていたように感じます。
途中でタイトルが『どろろと百鬼丸』に変更になったのは、百鬼丸がどろろよりも活躍場面が多く、
テレビアニメでは特に妖怪退治がメインのストーリーとして視聴者に感じられていたこともあったのでしょう。
2007年には実写化され映画が公開されました。
主演は妻夫木聡さんと柴咲コウさん。
内容的には原作の戦国の世というよりは、架空の世界のジャパニーズ・ファンタジーという感じの内容となっているようです。
(漫画本エッセイ060)
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