動物のお医者さん

花とゆめCOMICS 全12巻

作者:佐々木倫子
出版社:白泉社
初出時期:1988年(花とゆめ)
分野:少女マンガ
ジャンル:動物
内容:シベリアンハスキーの「チョビ」たち動物と、獣医学部に通う主人公たち人間との、ほのぼのストーリー。


H大の獣医学部で学ぶ主人公のハムテルとペットの犬のチョビや猫のミケたちが、
大学の仲間たちを中心に繰り広げられる楽しい毎日が描かれてい ます。
コメディー漫画と言ってもいいかもしれませんが、絵やアクションで笑 わせるというよりも、
動物たちとの何気ない日常生活のエピソードなどで、くすぐる様に笑わせてくれます。
様々な性格のキャラクターが登場します。
動物たちもそれぞれ個性的な性格を持っていて、笑わせてくれます。


昔起こったシベリアンハスキーブームは、この作品の中のチョビが巻き起こしたとも言われています。
般若のようなシベリアンハスキーのチョビにはファンも多く、
自分の買っている動物にこの名前をつける人も多いようです。
他にも 三毛猫の「ミケ」、鶏の「ヒヨ」と「漆原教授」は、特にユニークですごい性格です

2003年にはテレビドラマ化され、実物の「チョビ」の登場に人気も高かったようです。


この作品の風変わりなことのひとつに、一切恋愛がらみの話がないところです。
登場人物の誰にも彼女も彼氏もできないのです。
少女漫画としてはかなり異質と言えるでしょう。
しかし読んでみれば、この作品には恋愛話は似合わないことがうなづけます。
動物に対しても溺愛などではなく、自然なふれあいと言う感じです。
そんなところも人気のひとつなのではないでしょう。


獣医学部という、あまり知られていない世界が丁寧に描かれていて、
この作品の影響を受けて獣医を目指そうと思った人も少なくないようです。
動物が好きだという人は、ぜひ一度読んでみても損の無い作品だと思います。

(漫画本エッセイ059)