巨人の星

少年マガジンコミックス 全20巻

原作:梶原一騎 作画:川崎のぼる
出版社:講談社
初出時期:1966年(少年マガジン)
分野:少年マンガ
ジャンル:スポーツ・野球
内容:星飛雄馬と父・一徹が、栄光の巨人軍の輝ける星を目指す壮大な野球ロマン。


もう何も語ることも無いほど有名な作品です。
梶原一騎氏原作の出世作と言える、スポ根漫画の先駆的な存在だったでしょう。
しかしよくも 「巨人の星」などというタイトルを付けたものです。
当時は「巨人、大鵬、 卵焼き」なる言葉が流行っていたから、当然人気もすぐに上がっていきました。


常識を打ち破った魔球「大リーグボール」は、この頃だからこその夢のあるもののような気がします。
大リーグボール2号の「消える魔球」は、消える秘密が、ありえないでしょうけどけっこう論理的(?)だと思いました。
無理だとは思いながらも真似をしていた少年球児も多かったようです。
大リーグボール養成ギブス、火の玉ノックなど、凄い発想が次々展開されていきます。


なんといってもこの作品は、脇キャラの存在が大きいのです。
星飛雄馬の永遠のライバル、花形満と左門豊作。
飛雄馬の球を受け続けた恋女房、伴忠太。
現代では信じられないような厳しく、怖い頑固親父の飛雄馬の父、一徹。
柱の陰から飛雄馬を支える姉の明子など、個性豊かなキャラがこの作品を支えています。


同時期のアニメは、親子で毎週くぎ付けになっていたことと思います。
何と言っても1球投げるのに30分もかかってしまうこともありながら来週に続くというのは凄まじい引っ張りでした。
一徹のしごきのような特訓は児童虐待だとか、野球ルールにありえないような魔球など、批判意見も多かったようですが、
ともかく大げさでありえないようなことが、子供たちの人気の秘密となったのでしょう。

(漫画本エッセイ056)