KCスペシャル 全17巻
原作:梶原一騎 作画:つのだじろう・影丸譲也
出版社:講談社
初出時期:1971年(少年マガジン)
分野:少年マンガ
ジャンル:スポーツ・空手
内容:空手道を追い求め、波乱万丈の人生を送った極真空手総帥の故・大山倍達の偉人伝。
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原作者の梶原一騎氏も所属していたという極真空手は、ケンカ空手と言われ、この流派を生んだのは、実在した知る人ぞ知る今は亡き大山倍達氏です。
その大山倍達氏の目を疑うよう な波乱に満ちた超人伝説です。
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大山倍達の弟子たちも全て実在した人物たちで、それぞれの波乱万丈の人生を、梶原一騎氏は見事にドラマチックに書き上げています。
作画の方は、前半がつのだじろう氏で、後半は影丸譲也氏。
どうして途中で変わったかは、様々な噂があるようで、よくわかりません。
どちらがいいかは、読者も好みが分かれているようです。
自分としては前半の極真空手創設前の波乱に満ちた厳しい人生は、つのだじろう氏の方が合っていたように思いました。
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当時、世間は一大ブームを巻き起こしたブルース・リーのカンフー映画が大人気でした。
そのお陰もあってか、この作品も結構人気があったようです。
映画にもなり、作品中に登場してくる、ニューヨーク支部の門下生である熊殺しの異名を取るウイリー・ウイリアムズは、
後にアントニオ猪木と異種格闘技戦で戦っています。
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戦後の荒廃した日本で、空手界からは邪道呼ばわりされても、ひとり真の強さを求めて空手道を追い求めて行く大山倍達の生き様は、
事実をもとに描かれた作品だけあって、派手な空手シーンだけでなく、大山倍達を中心にした人間 ドラマがとてもリアリティーがあり、感動させられます。
超人的なその強さを、ぜひこの目で一度直接見たかったものです。
(漫画本エッセイ054)
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