KCスペシャル 全23巻
作者:本島幸久
出版社:講談社
初出時期:1989年(少年マガジン)
分野:少年マンガ
ジャンル:競馬
内容:競走馬として生まれたシルフィードと森川駿のスポーツドラマとしての競馬作品。
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この時代、競馬界はオグリキャップが競馬ブームを起こしていました。
競馬を知っている人から見たら、有り得ないようなレース内容やストーリー展開か もしれませんが、そこが漫画の楽しいところ。
現実的なリアリティのあるものもいいけど、現実離れしたところに漫画の面白さもあるのでしょう。
逆に競馬を全く知らない人でも、十分に楽しめる作品だと思います。
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話は経営が厳しい小さな牧場で、脚の難病を持った仔馬が生まれるところから始まります。
難産のため母馬の命と引き換えに生まれてきたこの子馬は、 この足では競走馬としては無理と判断され処分されそうになります。
しかし主人公の森川駿はこの仔馬を必死に世話をして、足の難病を克服していくのです。
そしてシルフィードと名付けられ、二人で競馬への夢を目指して行くのです。
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馬が主人公になっているだけあって、馬の顔の描き分けが非常にうまく、馬の表情なども違和感無く伝わってきます。
レースシーンなども迫力のある絵だと思いました。
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登場人物は、騎手としての人間も色々と出てくるのですが、それ以上に様々な魅力ある馬たちがこの作品を飾ってくれています。
負けず嫌いの主役のシル フィードや、血筋の良いライバル・マキシマムなど、そんな馬たちと騎手たちが数々のドラマを展開していきます。
動物ものということもあるのか、けっこう感動させてくれる作品です。
(漫画本エッセイ053)
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