ヤンマガKCスペシャル 全10巻
作者:望月峯太郎
出版社:講談社
初出時期:1994年(ヤングマガジン)
分野:少年マンガ
ジャンル:SF
内容:極限状態に追い込まれた人間の本質と「究極の恐怖」を描いた世紀末スペクタクル作品。
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2003年に、実写映画化されて話題を呼んだスペクタクル超大作です。
修学旅行の中学生が乗る新幹線の脱線事故から始まります。
事前情報を全く持たずに読み始めると、どういうストーリー展開が進められていくのか想像がつかず、一気にのめりこんでいけると思います。
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前半の地獄絵図のような新幹線の中で、高橋ノブオの存在は面白かったです。
極限状態での人間の変化は恐ろしいものだと感じました。
追い込まれた人間の本能のようなものが呼び起こされ、もっと精神世界へと行くよ うな物語なのかと思っていたら、
先に進むとけっこう純粋なスペクタクルな展開は、ちょっと意外でした。
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ともかく、次はどうなるのかとワクワクしながら読み進められます。
しかし竜頭(ドラゴンヘッド)とは一体どういったものなのか、私にはイマイチ良くわからなかったことが少々残念です。
結末もまさか「竜頭蛇尾」の「竜頭」 では無いと思いますが、ちょっと欲求不満気味でしたが、ともかく面白かったと言うのが率直な感想です。
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絵の感じは好き嫌いがあると思いますが、こういったスペクタクル・アドベンチャーものには合っている絵だと思いました。 実写映画版での、高橋ノブオ役の山田孝之さんの演技は、鬼気迫る迫力を感じました。
ウズベキスタンでの長期ロケの映像は、原作の世界以上の迫力を映し出していました。
(漫画本エッセイ051)
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