秋田文庫 全31巻
作者:水島新司
出版社:秋田書店
初出時期:1972年(少年チャンピオン)
分野:少年マンガ
ジャンル:スポーツ・野球
内容:ドカベンこと山田太郎と、その仲間たちの高校野球を舞台にした青春ドラマ。
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あえて説明の必要の無いくらいに有名な作品です。
やはり水島新司氏の代表作といえば『ドカベン』という答えが返ってくるでしょう。
それほど今でも知名度も人気度も高い作品です。
主人公は、ずんぐりむっくりの山田太郎なのですが、
なんと言ってもこの作品の魅力のひとつが、たくさんの個性豊かなキャラクターたちです。
岩鬼、殿馬、里中、不知火、雲竜、影丸、土門、犬飼兄弟、坂田と、数え上げたらキリがありません。
作品は、山田太郎の中学時代から始まります。
最初は野球ではなく、柔道をやっていたので柔道漫画かと思いかもしれませんが、
しばらくすると野球漫画になっていきます。
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タイトルの「ドカベン」は、もちろん山田太郎のことなのですが、
意外にこの作品、岩鬼が主人公と言ってもおかしくないほど、作品中の岩鬼の登場頻度は高いのです。
第一巻の一番最初のコマに出てくるのは岩鬼なのです。
その上、最終巻の最後のコマは主人公の山田ではなく、岩鬼で締められているのです。
この岩鬼というキャラクターには、なにか作者の思い入れを感じます。
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山田太郎らが在学する明訓高校は、作品中では神奈川県の高校になっていますが、新潟県に実在する高校なのです。
作者の水島新司氏は新潟出身で、入学を果たせなかったことからモデルに使われたようです。
1991年には、実在の新潟明訓高校が甲子園に初出場しました。
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この連載が終了後、しばらくしてからプロ野球編が始まりました。
高校時代の仲間やライバル達と、実在の選手も交えてプロ野球界で大暴れします。
プロ野球編を先に読んだ人も、最初の『ドカベン』を読んでみると、
登場人物の高校時代を垣間見る事ができて面白いと思います。
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1976年にアニメ化され、フジテレビ系列で放映されました。
1977年には実写版映画も製作されました。
(漫画本エッセイ046)
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