アクション・コミックス 全1巻
作者:大友克洋
出版社:双葉社
初出時期:1980年(アクションデラックス)
分野:青年マンガ
ジャンル:SF・超能力
内容:日常の中で起こった不可思議な事件は、超能力によるものだった。
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童(わらべ)の夢(ゆめ)と書いて「ドーム」。
読み終わってみると、非常にこの作品に合ったタイトルだと感じました。
タイトルと言うのも、良い作品の大事な要素のひとつだと感じました。
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巨大団地で次々と起こる奇妙な変死事件。
自殺者と思われる者や、事故や事件性のあるものなど…、いったいこの団地で何が起こっているのか…。
犯人は 何者なのか…。
何処にでもある団地の中、常人の知らない次元で、非日常的な何かが起こっている。
リアルに描かれているその日常が、非現実的な世界をも、よりリアルに感じさせてくれていると思います。
少し難しい感もありますが、じっくりと読んでみると、サスペンスの名作のような味わいが感じられてきます。
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大友克洋氏の絵は、もう何も言うことがありません。
巨大団地などの絵は、 漫画の紙面だと言うのに映画館のスクリーンを見ているかのような、
壮大の広がりと独特の雰囲気で描かれています。
1コマ、1コマに訴えかけてくるものがあり、気が付くといつの間にか、大友ワールドの中に入り込んでしまっているのです。
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ともかく素晴らしい作品だと思います。何と言っても1983年に日本で初めて、漫画で日本SF大賞を受賞しました。
あの世界的にも有名な 「AKIRA」の核となるような作品だと思います。
「AKIRA」に感動した人で、 だこの作品を読んでいない人は、ぜひ読んでみて下さい。
絶対損はしないと思います。
(漫画本エッセイ042)
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