講談社コミックス 全9巻
作者:永井豪
出版社:講談社
初出時期:1979年(少年マガジン)
分野:少年マンガ
ジャンル:SF・バイオレンス
内容:巨大な超能力を持つ怪物が生み出される現代の神話。
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永井豪氏の作品で、自分の中ではベスト3に入る作品です。
ともかく凄まじい壮大な物語です。
単なる超能力者の戦いかと思いきや、話はどんどんスケールの大きな展開へと進んでいくのです。
こういった形になるのは永井豪氏ならではでしょう。
永井豪氏の作品が海外でも評価を受けることに納得できる作 だと思います。
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超能力の巨人としての素質を持つ朱紗真悟は、ある事件をきっかけに、
怒りと悲しみから得体の知れない恐ろしく強大な力を持つことになったのです。
それも人類滅亡の危機に迫る破壊神となるような巨大なものなのです。
この力が目覚めるきっかけは、人間の起こした犯罪を憎む心から生まれています。
人間の生み出す欲望と言うものが、悪という形に変わり、
最終的に人間を滅ぼしてしまうと言う警告なのかもしれません。
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作品の中で描かれているレイプシーンで感じたのですが、
レイプという犯罪によって、最も清く汚れのないモノが汚されていく描写、
それによって人間の怒り、悲しみ、憎しみが強力なエネルギーとなって現れてくる表現は、
永井豪氏の素晴らしい表現力のひとつだと感じました。
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最初の方の事件に絡んでいた青沼という単なるチンピラが、最後の方まで絡 んでくるとは思いませんでした。
しかし、これからと言うところで連載は終わり、未完に終わっているのです。
後で知ったことですが、これは永井豪氏の意図によるものだったのだそうです。
「作者が完結できない物語を創りたい。それこそが神々の物語にふさわしい」と思ったのだそうです。
そうとは知らず、 当時は非常に残念に感じていました。
でもその後、多くの人たちの要望により、続編が出されたようですが、まだ読んでいません。
早く読んでみなければと思っています。
(漫画本エッセイ039)
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