愛と誠

KCスペシャル 全10巻

原作:梶原一騎
作画:ながやす巧
出版社:講談社
初出時期:1973年(少年マガジン)
分野:少年マンガ
ジャンル:青春恋愛学園ドラマ
内容:悪の巣窟「花園学園」で繰り広げられる、愛と戦いの純愛ロマン。


当時、テレビドラマにも映画にもなった、あの梶原一騎氏が原作の大人気となった作品です。
全く違う環境で育ってきた主人公の「早乙女愛」と「大賀誠」の波乱に満ちた物語です。

不良の巣窟のような高校に、お嬢様育ちの早乙女愛が転入してきます。
そして野良犬のよう な大賀誠に献身的な愛情を注ぐのです。
そんな早乙女愛に思いを寄せる秀才の岩清水の「君のためなら死ねる」と言うセリフは、
当時だいぶ話題になっていたような気がします。
今こんなセリフを言ったら、ストーカーと間違えられかねませんね。


学園ドラマで始まったこの作品は、後半に入ると非常に政治的な裏社会の陰謀の世界へと展開していきます。
この辺りから単なる少年マンガ以上の作品へと進み、クライマックスへと向かっていきます。
長編なのですがダラけることなく読み進められます。
最後はキチンと仕上げられいる完成度の高さは、さすが梶原一騎作品だと感じました。


作画のながやす巧氏の絵は、完成された素晴らしい絵だと思います。
好みはあると思いますが、このリアリティーのある絵が壮大な物語を、
しっかりと盛り上げているのだと思います。


1974年に実写版の映画とテレビドラマが作られました。
映画は3作作られ、誠役は西城秀樹、南条弘二、加納竜で、愛役は3作とも芸名と役名が同じ早乙女愛でした。
テレビ版は夏夕介と池上季実子でした。

(漫画本エッセイ037)