講談社漫画文庫 全13巻
作者:水島新司
出版社:講談社
初出時期:1972年(少年マガジン)
分野:少年マンガ
ジャンル:スポーツ・野球
内容:文字通り野球に狂っているようなプロ野球人生を貫く人間たちの物語。
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これほど野球漫画にこだわっている漫画家が他にいるでしょうか。
少年マガジンという少年誌に掲載されてはいたものの、玄人好みの水島節野球漫画です。
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「野球狂の詩」といえばテレビでも放映され、そのとき話題になったのが「水原勇気」。
この作品のファンの中には、後半の「水原勇気」が中心となる話よりも、
前半の読み切り短編の頃の方がいいという人も多くいるようです。
しかし「水原勇気」は、多彩なキャラクターたちが次々と登場してくるこの作品の、
いわば集大成的なキャラなのではないでしょうか。
なにせ、初の女性プロ野球選手なのですから。
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現実のプロ野球に「東京メッツ」と言う架空の球団を加え、
現実の選手と戦うというのは漫画という空想の産物の面白いところだと感じました。
50歳で現役の投手をしている主人公「岩田鉄五郎」など、
現実離れしたようなキャラが次々と登場してきます。
当時は違った形の日本プロ野球を堪能できた作品だと思いました。
今でも、登場してくる実在していた選手に、懐かしさを感じてしまいます。
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1977年にはテレビアニメが単発のスペシャル番組として放送されました。
同じ年に実写版映画が公開されました。
主役の水原勇気役には、昭和の人気アイドルだった木之内みどりさん。
人気絶頂の21歳の時に引退し、1990年に俳優の竹中直人さんと結婚しました。
1985年には実写版のテレビドラマも作られ、主演は斉藤由貴さんでした。
(漫画本エッセイ023) |