スター・レッド

小学館文庫 全1巻
作者:萩尾望都
出版社:小学館
初出時期:1978年(少女コミック)
分野:少女マンガ
ジャンル:SF
内容:23世紀末の地球に住む火星人の少女「レッド・星」を中心に描かれる壮大なSF叙事詩。


少年漫画の大巨匠と言えば手塚治虫氏や石ノ森章太郎氏が思い浮かばれるでしょうが、
少女マンガ界の大巨匠と言えば、真っ先にこの萩尾望都氏が思い浮かばれるでしょう。
マニアックなファンも多く、数々の名作があると思いますが、
私が最初に読んだのは、この『スター・レッド』でした。
宇宙を舞台にしたSFは、私個人としては大変好きな分野なのですが、
宇宙を舞台にしたようなSFマンガは、以外に少年マンガよりも少女マンガの方が多いような気がします。


この作品はタイトルからもイメージされるように、太陽系第4惑星「火星」が舞台です。
火星で生まれた主人公の「レッド・星」は、火星人の呪われた運命を救うために銀河系の中心へ…。
宇宙空間を舞台にしたSFとしてだけでなく、
超能力と言う超常現象的なものも、非常に面白い観点で取り入れられているのです。
ラストもとてもよくまとめられていると思いました。


この壮大なスペースファンタジーは、下手なSF小説なんかよりも遥かによくできた作品だと思います。
少年、少女マンガという区分けを超えた秀作だと感じました。

(漫画本エッセイ022)