サンデー・コミックス 全2巻
原作:平井和正
作画:石ノ森章太郎
出版社:秋田書店
初出時期:1967年(少年マガジン)
分野:少年マンガ
ジャンル:SF
内容:地球のエスパー達が、宇宙を破滅させようとする幻魔との戦いに挑む。
◆
石ノ森章太郎氏には珍しく、原作のある作品です。
原作の平井和正氏のライフワーク的なSF超大作です。
小説は大長編ですが、この作品はほんのプロローグ的な部分をマンガ化しています。
しかしその全2巻の長さにも、壮大な物語を感じます。
1983年に角川春樹が映画化し、
監督はりんたろう氏、キャラクターデザインは、あの大友克洋氏 が手がけました。
迫力ある映像は素晴らしく、こちらも相当に魅力的な作品となっています。
◆
信じられないほどの強大な力を持ち、全宇宙の破壊を目論む幻魔。
その魔の手が地球にも及んで来るのです。
どんな化学兵器も幻魔には通用せず、
最後に残された手段は人間の奥底に隠されている超能力の力を結集するしかないのです。
地球の危機に手を差し伸べてくれたフロイは、
幻魔と戦い続けてきたサイボーグ兵士のベガを地球に送り込んでくれました。
そしてプリンセス・ルーナを中心に、主人公の東丈などの超能力者と共に、
地球を狙う幻魔との戦いが始まるのです。
◆
週刊少年マガジンに連載された『幻魔大戦』が打ち切りの形で終了しました。
その後、マンガ作品は1971年から『S-Fマガジン』で『新幻魔大戦』として掲載が始まりました。
小説版では、『新幻魔大戦』、『真幻魔大戦』などと続いていきますが、
いずれも未完のまま終わっているようです。
あまりに壮大な物語に収拾がつかなくなったのでしょうか。
◆
原作の小説は相当の長編となり、マンガ作品とは、ちょっとイメージの違うものになっていきます。
しかしマンガ作品は打ち切りにより短いながらも、それなりに非常にうまくまとまっていると思います。
だいぶ前の時代の作品となっているわけですが、
今読んでも全く古さを感じさせない優れたSF作品だと思います。
(漫画本エッセイ020) |