1・2の三四郎

KCスペシャル 全12巻

作者:小林まこと
出版社:講談社
初出時期:1979年(少年マガジン)
分野:少年マンガ
ジャンル:スポーツ・柔道、プロレス
内容:格闘技をこよなく愛する主人公「東三四郎」の闘魂物語。

少年マガジンで連載が開始されてからしばらくは、
単なるドタバタ学園ギャグ漫画かと思うような内容なのでした。
でも話が進むうちに、この作品はただのギャグ漫画ではなく、格闘技マンガだとわかってきます。
けっこう長い期間、連載していました。

ラグビーで類まれな才能のあった三四郎は、ひょんな事から柔道をやることになり ました。
前編の半分近くは柔道マンガです。
そして後半は本来の目標である格闘技の頂点と思っているプロレスへの道へ進むのです。
人によっては柔道の部分が好きな人と、プロレスに入ってからが好きな人といるようです。

主人公の「東三四郎」の人生訓は「闘魂」で、
尊敬する人物はアンドレ・ザ・ジャイアントとアントニオ猪木という格闘技大好き人間なのです。
この作品で格闘技に目覚めた人も少なくないようです。
マンガは、時に自分の夢の発見の手助けになることもあるのです。

東三四郎のとぼけたひた向きさと、その周りを取り巻く個性豊かなキャラたちが、
不思議な味わいをかもし出している作品だと思います。
ひと昔前のスポ根漫画とは、一味違った作品ではないかと思います。
◆ 1995年に実写映画化されました。
当時K-1で活躍していた佐竹雅昭が東三四郎役で映画初主演を務めました。
DVD化はされていないようです。見ていなかったので残念。

(漫画本エッセイ011)