アストロ球団

ジャンプ・コミックス 全20巻
原作:遠崎史郎/ 漫画:中島徳博
出版社:集英社
初出時期:1972年(少年ジャンプ)
分野:少年マンガ
ジャンル:スポーツ・野球
内容:超ぶっ飛んだ異色野球漫画の大作。


現在に至るまでに、これほど奇想天外な野球マンガがあったでしょうか。
当時、同時期ぐらいにに連載されてた野球マンガに『侍ジャイアンツ』と言う作品がありました。
こちらはアニメにもなり、ジャイアンツを舞台にしていたと言うこともあって、だいぶ人気があったようです。
しかしこの『アストロ球団』は、その影に隠れてしまい、知らない人も多いかもしれません。
しかし私にとっては、このSFじみた(もしかしたこれはSF作品かもしれない)野球マンガとの出会いには、
衝撃を感じたものです。

宿命の元に生まれた9人の超人戦士が、ひとりまたひとりと集まり、
日本のプロ野球界に挑んでいきます。
その超人の出現のきっかけは、その昔、大リーガーにも投げ勝ったという、
戦時中の伝説の大投手「沢村栄治」と関係しているのです。
なんとも想像を絶した設定になっていると思います。

超人の名前が球一、球二、球三郎…と単純ですが、
こういう設定も子ども心に火をつけてくれました。
必殺技(野球なのに?)は、タイトルからも創造できるように、
全て宇宙的レベルの凄まじいものなのです。
野球の試合をしているはずなのに、いつのまにか格闘技の様相をも呈してくるのです。
もしこの漫画をハリウッドでSFXを駆使して映画化したら、どんな凄いものができるのでしょう。
と思っていたら、2005年にテレビ朝日系で実写ドラマ化されたのです。
しかしこれがまた、低予算で作られたのか、非常にがっかりしたもに終わってしまいました。
1992年頃にTVアニメ化の企画も検討されたようですが、
野球アニメの人気が終わっていたことで、幻に終わったようです。
非常に残念でした。

連載があっけなく終わってしまったのは、あまりに凄まじい試合が続き、
それ以上のものができなくなってしまったからなのでしょうか。
そこが少し残念でした。
しかし、後にも先にもこれほどの凄まじい野球マンガはないでしょう。

(漫画本エッセイ008)